最近はまっている新潮文庫で、村上春樹さんの短編集を見つけました。
この「東京奇譚集」は、ノンフィクション5編からなるものなのですが、ものすごい精神的な迫力で一気にはなかなか読めません(笑)。
これ、本当にノンフィクション・・・??
奇譚(きたん)とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語
都会で起こった不思議なお話ということなのですが、私はまったくほんとに起こったと思えない・・・。
だけど、もしかしたら起こっているかもしれない・・・と思ってしまう、不思議な内容です。
この微妙に「真実かも」「疑問だな」と、心が両側に揺れる感じを体験できる、心躍る本でしたよ。
特に最後の書き下ろし「品川猿」がありえない・・・。
旦那さんにそこだけ話したら「その1話があるだけで、オレはちょっと(ノンフィクションとは)信用できないなー」というんですが、私はもしかしたら・・・と思う。
著者もわかっているようで、この本の最初に「説明のため」登場します
いきなり村上さんが出てきて、ヌオーッ!って思いました。
この本は最初から最後まで興奮させてくれる本です。
この本は、平成19年12月発売。だけどどこへ行ってもまだ平積み
私がこの本を発見、購入したのは、お台場のヴィレッジヴァンガードというかなりマニアックな本がたくさん売っている雑貨屋さん兼本屋さんです。(その後数軒の本屋さんを見たところ、ほとんど平積みでした。すごい人気なんだなぁ)
文庫のコーナーだったか・・・いや「都会」というテーマのくくりのコーナーだったように思うのですが、そこのすごく目立つ位置に「東京奇譚集」は置かれていました。
裏をめくってみて「平成19年」と書いてあって、全然新刊じゃないのにすごく目立つところにあるなぁと思って、村上さんの本だし買ってみよう~と思って気楽に買いました。ヴィレッジヴァンガードの店員さんのチョイスはかなり信用できると思ったし(たぶん、ポップも作っていっしょに飾られてあったと思います)。
その後、飛行機に乗って読んでいたのですが、なんだかドキドキしてきて、2編くらいまで読み終わってもうおなかいっぱい。ラブストーリーでもサスペンスでもないのに本当に「不思議」な気分になりました。
不思議なんですよ・・・
この本がノンフィクションなのが本当なのか、それも不思議だし、自分がこんな気持ちになっているのも不思議だし、そういうことってあったらいいなぁと思う自分も不思議だし・・・。超村上ワールドです!
私のお気に入りは、「ハナレイ・ベイ」
ハワイでサーフィンをしていた息子さんを亡くしてしまったお母さんのものがたり。
さすがに私も人の親なので、泣きました。どうして・・・こんなことが!!(結末がね)
ノンフィクションかどうかというところの議論より、このひとつひとつのお話が、人間への問いを持っているなぁとホント感じます。こういうとき「あなたどうする?どうしたらいいの?」と問われているのを感じます。
村上春樹さんの本は、ほんとうに読みやすくて、書きなれているというのがわかる文章です。
こちらの呼吸に合わせてくれているのがわかるので、本ってそんなに読まないなぁという方でもすーっと村上ワールドにはまることができるんですよ。
ちょっと日々に刺激が欲しい方、言葉にできないけど共感できる気持ちを味わいたい方はぜひ。
新潮社
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読めばわかる。
人はそれでも生きて行かねばならない
またまた引き込まれました!
日常の中で見逃してしまいがちな些細な奇跡
私は春樹が嫌いなのに
★東京奇譚集(楽天ブックスでもレビューが読めます)
東京奇譚集を読まれた方のレビュー(みんなどう思うのかめっちゃ気になる)
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